猫のワクチン接種について

◆猫のワクチン接種について

ウィルスによる疾病対策には欠かせない猫のワクチン接種

注射よく動物病院などの張り紙にある里親さん募集のチラシを見ると「ワクチン接種済」といった文言を目にします。このワクチンとは、非常に弱めた病原体に似たものを体内に入れることで、伝染病に対し抵抗力をつけるのが目的で、病原体が猫の体内に入ってきても免疫力の働きで発病させないようにさせます。つまり決して病気を治すものではありませんので、ご注意ください。ただし、ワクチンで伝染病の100%を予防できるわけでありません。

ワクチンの種類

 猫は伝染病にかかりやすい動物と言われており、これを未然に防ぐためにワクチンの接種を行いますが、あくまで元気であることが前提になります。また、「ウチは外に出してないから大丈夫」とワクチンの接種をしない方もいますが、それは間違いです。人間の衣服や靴を媒介し感染することもあり、またベランダのような場合でもウィルスや細菌が繁殖していることもあるからです。必ず受けるようにしましょう。

一般的には以下3種類のウィルスによる疾病対策に有効な“3種混合ワクチン”が使用されます。
・ネコ伝染性鼻気管炎
・カリチウィルス感染症
・ネコ汎白血球減少症

 また、薬品メーカーによっては白血病とクラミジアにも対応した5種混合というものもあります。家の外に出している猫の場合、感染する確率も高いので、5種をおすすめします。獣医さんと相談してどちらにするかを決めればよいと思います。料金は3種混合でおおよそ5000円〜7000円程度です。

5種は上記の3つに加え、以下の2つを防ぐことができます。
・ネコ白血病ウイルス感染症
・カリクラミジア症

ワクチンの副作用

10313548_650401815042009_8275891274041705747_n ただし、ワクチンは、免疫をつくるために一時的にその伝染病にかかった状態にするので、少なからず副作用があります。以下のような症状が出たらあきらかに副作用と考えてよいですが、普段健康な猫でしたら、ほとんど問題にはなりませんので、あまり心配はいらないでしょう。
・元気がなくなる
・食欲がなくなる
・下痢/嘔吐
・顔の腫れ/痒み
・発熱

 場合によっては、痙攣発作を伴うアナキラフィシーショックが起こる場合もあります。また、白血病ワクチンにおいては、数年後にガンを誘発するという報告もされていますが、逆にワクチンを接種しなかったことで死んでしまう猫も多いというのも事実です。よってワクチンによって救われていると考えるべきではないでしょうか。

ワクチンを接種する時期

 猫は生まれてから2〜3ヶ月めに1度あるいは2度。そのあとからは1年から2年に一度行うのが一般的です。ただし完全に室内飼いの場合は、2年に1度でもよいという獣医さんもいます。そのあたりは獣医さんと相談して決めましょう。
人間のワクチンと違い、一度接種したらもう一生接種しなくてもよいというものではないので、毎年受けるようにします。

ワクチン接種の前に注意すべきこと

 あきらかに元気がないなどの状態の際には接種をさけるべきです。また前回の接種のあと、副作用が強く出たという経緯がある場合には、注意し獣医さんに事前に相談をしておきましょう。

・ワクチン接種後に注意すべきこと
 2、3日は安静にさせ、あまり激しい運動などはさせないようにします。また他の動物との接触も避けます。

★ワクチンで予防できない伝染病1「ネコエイズ」
 正式名を「ネコ免疫不全ウィルス感染症」といいます。ワクチンで予防できません。  人間のエイズと同様、免疫力が極端に低下してしまうことで、ちょっとした怪我や病気でも死んでしまうことがあります。ただし、しれは発症した場合のみで、普通に生活している場合にはあまり問題にはなりません。  感染は、ウィルスを持った猫からの交配で感染したり、喧嘩などで傷口から感染するケース、母子感染などです。感染しているかどうかは、病院で血液検査を行うことで診断できます。母猫がハッキリしない場合にはできるだけこの検査を受けるべきです。また、もし感染していることが判明した場合、他の猫との同居はさけるべきと言えます。  この「ネコ免疫不全ウィルス感染症」は、人間には感染しません。

 ★ワクチンで予防できない伝染病2「コロナウイスル」  
 コロナウイルスには何種類かあります、軽い症状なら自然治癒してしまうのですが、FIPウイルスに変体を起こすと厄介です。場合によっては死に至ることもあります。感染源は便や唾液。 これらは血液検査でも判断するのは難しいため、実際の症状と照らしあわせて判断する他ありません。 

 

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