もう数年前の話。
とあるアーティストの知人の結婚披露パーティの際、
某有名アーティストの○君と20年以上ぶりに会ったときの話です。
その○君とはデビューする以前から知っていて、何度か一緒にライブをする間だったのですが、ある時、彼は某大手レコード会社のオーディションで合格し、鳴り物入りでデビュー。
コマーシャルに使われるのみならず、本人も出るという感じで、一躍有名人に。たぶん名前を言えば皆さんご存知なはず。
で、当時から僕は民族音楽が好きで、ある時とある楽器店の店頭でギリシアのブズーキをみつけた。店員さんにきくと、どうやら数本仕入れたというので、民族楽器好きだという○君に連絡するや、「是非おさえておいて!」というので、そこにあったブズーキを僕はすべてキープしたのでした。
T君はそれをとても気に入ったらしく、レコーディングなどにも使用し、雑誌などでも「最近のお気に入り楽器!」と紹介していた記憶がある。
で、20年以上を経て再会した○君。すっかり有名アーティスト、というか音楽家の雰囲気。売れないミュージシャンである僕のような下々に対しては、あからさまに見下す態度。
「ハッカイ君、今どんなのやってるの?」
というから
「T君に紹介したブズーキを今でも弾いてるよ。あとウードもね」
というや、まるで「あぁぁ、まだそんなんやってんだ」という顔つきで、
「民族音楽的ね。でも、どうがんばっても現地の人にはかわないなからね」と一蹴。
「キミだって、異国からきたポップスやらやってんじゃないの?」
と言いたかったけどやめました。
で、一応「よかったらメールくれよ」と、メールアドレスを書いたものを渡したけど、その時彼からはなにも教えてもらえず。
「ああ、メールするよ」と返事はあれど、もちろんメールは未だない。
なぜこんなこと書いてるかですか?
この時期、街を歩けば、かならず流れているクリスマスソング、
それを聞いていたら、なんかふと思い出したんですよ。
そういや『スキーのCMでの曲、使われてたな』と。
ま、いいんですけどね。
僕は僕の道をいくだけです。
きみにもう会うことはないでしょう。