Adout OUD


ウードについて

現在のメイン楽器です。非常に哀愁を帯びた美しい音色がします。かつて(現在もですけど)ギタリストではありましたが、現在はこの楽器の魅力に取り憑かれてしまいました。

ウードについて1

ウード(OUD)とは、中央アジアを発祥とした弦楽器です。それが中近東に広まりました。 古い歴史を持つ、このウード、一見『古楽器』にも見えますが、現在でもエジプト、トルコ、シリア、レバノン、イラク、モロッコ、サウジアラビラ…といった中東諸国では普通に存在し、使用されています。 中東のイスラム圏においては、なくてはならない楽器です。 形は、中国の琵琶、日本の琵琶に非常に似ています。また、ヨーロッパのリュートにもそっくりです。それもそのはず、このウードがそれらの祖先にあたるからです。 西洋において、このウードがリュートになり、そしていずれギターになります。

ウードについて2 ウードの弦

弦は、6コース(6列)、もしくは5コース(5列)になっています。たまに7コースというものもありますが、一番ポピュラーなのは6コースです。 6コースですが、弦は11本です。一番低いコースのみが通常1本になっています。 あとの1コースから5コースまでは2本ずつの復弦になっています。 弦はいわゆるクラシック・ギターと同様のナイロン弦ですが、太さやテンション(張り)が違うので、基本的に流用はできません。専用弦を張りますが、アラビック・タイプとターキッシュ・タイプがあるので、間違えないようにしないといけません。アラビック・タイプのほうが太い弦を張ります。 製品によりますが、1弦、2弦がプレーン弦、他はすべてワウンド弦です。3弦がプレーンのこともあります。 僕の場合、アラビック・タイプのウードなので、それ専用の弦を海外から購入しています。

ウードについて3 チューニング

主に、アラビック・チューニングとターキッシュ・チューニングに別れますが、人や地域によって様々です。僕は複数の教則本を持っていますが、どれも違いうことが書いてあるので面倒くさいです(笑)。

●アラビック・チューニング 1弦=ド 2弦=ソ 3弦=レ 4弦=ラ 5弦=ファ 6弦=ド

●ターキッシュ・チューニング 1弦=レ 2弦=ラ 3弦=ミ 4弦=シ 5弦=ファ# 6弦=ド#

書いてありますが、

別の本では

●1弦=レ 2弦=ラ 3弦=ミ 4弦=シ 5弦=ラ 6弦=ミ

となっていたりするのです。

その一方、僕は、習った常味氏による方法(アラビック・チューニング)に従い以下をを採用してます。

●1弦=ド 2弦=ソ 3弦=レ 4弦=ラ 5弦=ソ 6弦=レ

知人のウード弾きはやはり違ったチューニングをしているので、例えば楽器を借りても、そのままの状態ではまったく弾けないということが起こります。

ウードについて4 ボディ

形状は、まるで果物の枇杷のようなスタイル。ギターのように腰にクビレがありません。ボディ表面は平らですが、ギターなどと違い、裏はマンドリンのように、ぽっこりと丸くなっています。この構造のほうが音の反射で遠くまで届くのだと思います。今のように音響システムのない時代の工夫なのでしょう。その深さは25cmくらいもあるでしょうか。 サウンド・ホールは、ものによって様々ですが、僕の持っているものは3つあります。普通のギターのように1つのものもあります。3つもあるのは、やはり音響システムがない時代に大きな音をさせるためではないかと思います。しかしそのせいでハウリングも起こりやすくなってしまっている欠点もありますけど。

ウードについて5 ヘッド

ウードのヘッドの角度の大きさというのも大きな特徴としてあります。普通のギターなどでは、こんなに曲がってませんものね。ほとんど直角に近い角度です。この角度とボディ・ボウルの深さがあるため、ケースも巨大になり、非常に場所を取ります。電車などでは周囲への迷惑この上ないですね(苦笑)。といいますか、移動の際には非常に気をつけないとポキンといってしまう危険性もあります。 では、なぜこのように角度がついているか? ですが、一言で言うと「弦の張力(テンション)を保つため」です。“滑車の原理”と同じく、例えばモノを引き上げる際、まっすぐ引っ張るより、滑車を一つかませることで、引っ張る力がすくなくて済みます。弦はある程度の張りが必要ですが、もしヘッドがまっすぐだとペグに大きな負担がかかってしまいます。ただでさえ調整しづらいのに、さらにしづらくなってしまう上、張力が保てずベロンベロンになってしまう。そこで、このようにヘッドに角度をつけてナット部分を支点にしているというわけです。

薩摩琵琶とウード

以前千葉の千倉で開催されたアート・フリーマーケットでライブをしてきました。右は、その際に主催者で知人のイラストレーター山口マオさんが持ってこられていた薩摩琵琶。左は僕のウード。 ウードと琵琶、よく似てます。ルーツは同じだと聞いてます。 つまり親戚みたいなもんですね。

ウード教室について

トルコや中東諸国、地中海沿岸の国に海外旅行に行った際、楽器好きでウードを買ってきたはいいけど、どうやって弾いていいのか分からないという方もいらしゃるのではないでしょうか。 そこで、そういった方に向けて、初心者向けのウードの弾き方を教えることにしました。くわしくはまた後日別ページを作成しますが、現時点でもお問い合わせは可能です。

>>>>>こちらからどうぞ。

●ウード教室概要(変更の可能性あり)・場所:拙宅、もしくは都内、近郊のカラオケボックスなどにて開催・レッスン料:5000円/1時間・内容:構え方、チューニングの仕方、弦の張り方、リーシャ(ピックの持ち方)、弦の弾き方などから、簡単な曲、おいおいは、アラブ曲の演奏。マカーム、アラビックリズムの習得など。