ウードのペグについて


ウードのペグについて

ウードのエレクトリック化については1回お休みです。今日はペグについて書いていきましょう。

ペグとは糸巻きのことです。文字通り弦を巻き、チューニングを行なうパーツなのですが、ウードの場合、ギターと違い、ギヤ式ではなく、昔ながらの“木ペグ”が採用されています。これはテーパー状になった木の棒がグリグリとただ刺さっているだけの構造で、ヘッド側の穴との摩擦によってのみ留まっている状態。ギヤのように複雑な構造はありません。バイオリンなどと同じ構造です。

素材はかなり硬い木が使われます。所有のウードには、黒檀(エボニー)が使われているようです。

そのような材質と構造なのものですから、困ったことに気候によって摩擦の具合が変わるのです。湿度が多い時かったり、気温が高い時期は木が膨張するので、回りがキツくなるんです。逆に乾燥していたり、気温が低いと木が収縮するので、スカスカになってユルユルになっちゃうのです。

で、キツい時にはバイオリン用のコンポジットというものか、蝋を摩擦面に塗ります。逆にゆるい時にはバイオリンの弓に塗るロージン(松脂)かチョークを塗ることで解決させます。

ギヤ式のペグは、例えばギヤの歯は12個あれば、ペグポスト(弦を巻いてある部分)が1回転するにはその12個の歯を経由させなくてはなりません。つまりレシオ(比率)は12:1ということ。で、その分微調整がしやすい。

対して木ペグの場合、ペグポストが1回転するには、ペグを1回回すだけ、つまりレシオは1:1なので、微調整がしづらいんですよね。バイオリンで使うファインチューナーがあればいいんですが、そんなものは存在しないので、もう慣れるしかないですね。

弦の張り方やチューニングについては、また今度書きますね。お待ちください。