猫のフード(食餌)について
◆猫のフード(食餌)について
猫の本来の食とは ネズミ=完全食
飼い猫の場合、しかも部屋飼いの場合、ほぼ100%がキャットフードを食べていると考えていいと思いますが、本来野生の猫にとっての主たる食べ物は、ずばり“ネズミ”です。その大きさにもよると思いますが、ハツカネズミ程度のものなら、1日10匹程度食べると言われています。しかし猫の胃袋はそれほど大きくなく、1匹食べるとお腹が一杯になってしまいます。フードをいっぺんに食べてしまう犬と違い、一気に食べず何度にも分けて食べるという猫の食性はそこに理由があると言えます。
猫がネズミを食べる場合、通常まるまる1匹をそのまま食べてしまうのですが、このことには、非常に意味があります。ネズミの肉にあるタンパク質や脂質のみならず、ネズミの胃や腸には半消化状態の穀物や野菜類がある上、骨なども食べることで、栄養バランスを保っているのです。つまりネズミは猫にとっての完全食ということができます。
★コラム「魚? 肉?」
日本では昔から「猫の好物=魚」と言われてきましたが、これはかつての日本における動物性タンパク源は魚であり、肉を食べなかったからです。ですからあまり魚を食べない国においては、猫の好物は肉というのが一般的なのです。
猫の食性
人間のように決まった時間に3度…というような食べ方をしません。
猫は、犬のように出した分を全部食べてしまう…といったことはせず、自分がその時食べたい分だけを食べます。そしてまた思い出したように来ては「ポリポリ」と食べます。よって、どのくらいの量を出しておいたらいいのか、与えたらよいのかですが、これはその猫の年齢にもよりますので、なんとも言えません。朝出したものが夕方になったら無くなっている…という目安を見つけてください。特にウエットフード(生のフード)においては、出しっぱなしにしておくと腐敗する危険性や、虫を寄せつけてしまう可能性があるので、その時に食べる分だけを出すようにし、もし食べないようなら、しまってしまうようにしましょう。
フードについて
よく食べるから…といって同じものやあまり健康に配慮されていないものばかりを与えていると、猫の健康は保てません。人間と同じく、猫にとっての栄養バランスを考慮した専用のフードを与えるべきです。
また、年齢によって必要な栄養素が異なります。例えば子猫の時期に与えていた同じものを大人猫に食べさせていては、間違いなく肥満になります。年齢相応のものを与えましょう。
総合栄養食と一般食について
フードのパッケージを見ると「総合栄養食」と書かれたものと「一般食」と書かれたものがあります。どちらを与えたらよいのでしょう。
総合栄養食は、そのフードと水さえ与えていれば必要な栄養素を賄うことができるフードのことです。毎日の主食として適したものです。
対して一般食(または副食と書かれていることもある)は、いうなれば“おかず”や“おやつ”的存在。それだけではバランスのよい栄養を摂取できません。食付きがよいからといってそればかりを与えていては、肥満や体調不良の原因になってしまうことも。いつも与えていたフードの食いが悪い…というような際に、添えてみるといったことで使うようにしましょう。
与える量
目分量ではなく、必ず測って与えるようにします。きちんと測って与えることで、「1日にどのくらい食べるのか」を把握しやすくなります。
多すぎる場合、ドライでも食べている最中の唾液で湿ってしまうと、腐敗が早まってしまいますので注意が必要です。