猫の健康管理

 ◆猫の健康管理

猫の健康状態を知ろう

DSCN0006 猫は人間の言葉を話せません。たとえどこかが痛かったり、苦しかったりしても直接それを飼い主に伝えることはできないのです。もし人間の目からみても猫が苦しんでいる、またぐったりしている…というような場合はかなりの重症で、人間では救急車をよばなくてはいけないレベルと判断してよいでしょう。猫の様子がおかしくなってからでは遅いので、普段から猫の健康な状態を知っておくことが重要です。

●猫の体温測定

人間と同様恒温動物である猫も、人間と同じく猫も体調に異常をきたすと体温変化が現れます。体温を測ることは、日々の健康管理において、非常に重要なことといえます。体温は体内の奥にいくほど高く、手足や耳など、末端にいくほど低くなります。また1日の中でも朝は低く、夕方に向けて体温は上昇します。さらに、年齢や食事の前後、精神状態、運動の前後で変化します。

方法
動物用の体温計を用意しましょう。インターネットのショップサイトで検索すればいくらでもでてくるはずです。方法は、猫が安静にしている際に、肛門に挿入して計測します。しっぽの付け根を持ち上げ、肛門が見える状態にし、差し込みます。いやがったり、なかなか入らない場合には、潤滑油としてベビーオイルを使ってもよいでしょう。測定後は体温計をしっかり洗って消毒しておきます。

体温は平均38度〜39度と、人間より高めです。

●猫の脈拍測定

人間が病院に行くと、まずされるのは体温測定につづいて脈拍の測定ですが、猫の場合も同様です。人間の場合手首で測りますが、猫の場合は股の付け根にある股動脈で測ります。安静時に後ろから後ろ足の付け根に指を入れ、脈打っている場所を見つけて測りましょう。子猫は成猫に比べ、脈はやや早めです。また、リズムが一定であるかどうかもチェックしましょう。リズムにばらつきがある場合、不整脈の危険もあります。

成猫の場合:100〜120拍(1分間)
子猫の場合:130〜140拍(1分間)

●猫の呼吸数の測定

 呼吸する回数も健康管理には重要です。測定方法は、安静時に鼻の開閉、胸に手を当てて行います。吸うのと吐くのを合わせて1回とします。猫は成猫に比べ、脈はやや多めです。また、呼吸の仕方や、リズムが一定であるかどうかもチェックしましょう。

成猫の場合:20〜25回(1分間)
子猫の場合:20〜30回(1分間)

●猫の体重測定

 猫の体重測定も日々の健康管理には欠かせません。ただし、猫がおとなしく体重計に載ることはないので、方法を考えることが必要ですが、それ以前に100g単位で計測可能な体重計を用意しましょう。0.5kg単位では、小さな身体の猫の体重変化を見極めることが困難です。猫の個体によって大きさに違いがあるので、基準はありませんが、見た目として明らかにお腹が太いようであれば、肥満ぎみといえるでしょう。

1:洗濯ネットに入れて測る
 猫をおとなしくさせる“必需品”洗濯ネットに入れて体重計に載せて測ります。

2:キャリーに入れて測る
 動物病院に連れていく際に使用するキャリーに入れて測り、後からキャリーの重さを引きます。

3:抱っこして測る
 飼い主さんが抱っこして測り、後から飼い主さんの体重を引きます(サバを読まないように!)。

●チェックポイント以下の状態が確認されたら注意です。

食欲の有無

いつも食べるフードを食べない、時間がかかる、異物を食べる、水を異常に飲む

行動の様子

元気がない、遊ばない、寝てばかりいる、人のいないところに隠れてじっとしている

歩き方

足を引きずる、ジャンプできない、高い場所に行けない、降りられない

触ってみて

腫れているところがある、痛がる箇所がある

体重

極端に増加、極端に減少

体臭

悪臭がする

呼吸の様子

乱れがある、異音がする

体温

普段より体温が高い/低い

目やにが多い、よくこする、涙が多い、眼球に傷がある、充血している、白濁している、瞳孔反射がない

鼻水が多い、鼻血を出す

悪臭がする、中が汚い、耳をよく振る、耳をよく掻く、耳のふちが赤い、腫れている

悪臭がする、よだれを垂らしている、舌がでたままになっている、歯がグラグラしている、歯茎が腫れている、歯茎から出血がある、奥歯が茶色くなっている

嘔吐

頻繁に吐く、血を吐く

皮膚

脱毛部分がある、頻繁に同じ箇所を舐める、腫れている、抜け毛が多い、頻繁に同じ箇所を掻いている、ノミなどの寄生虫がいる

肛門

汚れている、悪臭がする、周囲にしこりがある、よく舐める

外陰部

汚れている、オリモノがある、よく舐める、悪臭がする

鳴き声

かすれている、でない

しっぽ

だらんとしたまま、動かない

尿

しずらそうにしている、回数が多い、褐色が濃い、トイレ以外でしてしまう、している最中に悲鳴のような声を出す

便

下痢をしている、しずらそうにしている、回数が多い、トイレ以外でしてしまう、血便

 

 

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